【歌詞コラム#3】動詞を名詞化する”ㅁ”(미음)の魔法。

歌詞コラム
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새하얀 눈꽃들을 마주하고
真っ白な雪の花が降って

거짓같이 사라지죠 계절은 변하고
嘘のように消えていくんだ 季節は変わって

기다림은 먼지가 쌓여서 멀리하게 되죠
ほこりが積もるほど待ちくたびれるのは もう遠ざけるようになるんだ

보고 싶어 모습을 떠올리면
会いたい姿を思い浮かべて

-Flashback (N.Flying)

ㅁ/음 : 用言(動詞や形容詞)を名詞化するする語尾。
例)가다 → 감  //  살다 → 삶  //  있다 → 있음

今回は、動詞を名詞にする「名詞化」の話です。

日本語では、動詞を名詞として使いたいとき「〜すること」という表現をつかって名詞化しますよね。

韓国語で動詞を名詞化したいときには、

日本語と同じような「〜すること」という表現になる「〜한다는 것」という表現以外に、

~ㅁ/음~기 を使うことができるんですが、この「名詞化」がとにかく素敵なんです❤️

例にも挙げましたが、例えば「行く」という動詞。

日本語だと「行くこと」という表現で名詞にしますが、

韓国語では

가다 → ①간다는 것 ②가기 ③감

の3つの表現で表せます。

①の直訳は「行くということ」なので、日本語の「行くこと」と同じ雰囲気ですよね。

②、③は日本語で訳すと「行くこと」であることには変わりないんですが、

もっとちゃんと名詞っぽくなるイメージです(笑)

②と③での違いとしては、

가기 : (これから)行くこと、行ってほしいということ <決まっていないことや未来>

: (もうすでに)行ったということ、(必ず)行くということ <既成事実や過去>

という違いがあるみたいですが、詳しくはこちらの方の記事をどうぞ。

でですよ、今回のコラムで何が言いたかったのかっていうと、

この「名詞化」が、歌詞に登場するとすごく素敵だよね〜って話です。

冒頭で登場したN.Flyingの”Flashback”のこちらの歌詞です。

기다림은 먼지가 쌓여서 멀리하게 되죠
ほこりが積もるほど待ちくたびれるのは もう遠ざけるようになるんだ

この部分。기다리다(待つ)という動詞を名詞として使った歌詞が出てくるんです。

日本語で直訳すると、

「待つことは埃が積もって遠ざけてしまうんだ」

となります。

なんだか分かるような分からないようなダサい雰囲気が出てますが、

本当はもっと素敵な世界なんです。

原語の雰囲気はこんな感じ。

”기다림”「待つこと」、どちらかというと「待ってたこと」かもしれません。

この「待ってたこと」にホコリが積もってるんです。

ということは、ホコリが積もるほど、ず〜っと待ってたんです。

ホコリが積もってるものは汚いから、なんとなく遠ざけてしまう。

つまり、

もう待ちくたびれるのはごめんだから、待ちたくない

ってことじゃないでしょうか。

でもこの曲は”Flashback”というタイトルからも分かるとおり、昔の思い出をふと思い返す歌なんです。

だから、この기다람~の歌詞の後にくる、

보고 싶어 모습을 떠올리면
会いたくて 姿を思い浮かべれば

が、待てなかったことへの後悔というか、寂しさが感じられて、

それもまたこの曲の魅力になってる気がします。。。

「もう僕は待ちたくないんだ」って直接的な表現よりも、

「待つ」という表現と「埃を被る」って表現を重ねたこの歌詞の方が

ずっと詩的で、美しい世界だと思います❤️

こういう日本語ではうまく訳せないけど、韓国語だからこそ作り出せる「素敵な世界」が歌詞にみつかると、何だかとても嬉しくなるんです♬ (うまく訳せないのは悔しいですが)

N.Flyingの曲は、バンドロックだけど歌詞がなかなかに詩的で、素敵な曲がたくさんあるので、

ぜひ聴いてみてくださいね^ ^

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